職人ライダーヒロの 楽しいツーリング日記!

工作機械でかなり重要!軸受面の『ささばきさげ』とは?

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03.蓋の押さえしろを調整
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工作機械製造において キサゲ加工 という超重要な手仕上げ加工を施す職人である一方。相棒のCBR1000RRやGTR125aeroと共に旅に出かけ、日本各地に点在する絶景スポットやグルメ情報などをブログを通じて発信するブログライター。
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きさげ加工は知っていても、

“ささばきさげ” って何?って方結構多いのではないでしょうか?

 

『ささばきさげ』とは、

『ささっぱ』という工具を使って曲面に施す『きさげ加工』の事を言います。

ささっぱの写真

どんな作業なのか?ご説明しましょう!

 

『ささばきさげ』とは

主に軸受(スピンドルなどの軸を受けるための台・それを押さえつけるための蓋)など、

『曲面』に施す『きさげ加工』です。

こういう物を『割メタル』とも言います。

※スピンドルとは『精密高精度』『摩耗が少ない』回転軸の事

 

軸受に『ささばきさげ』を行うためには、

『心出し軸』と呼ばれる円筒状の基準軸を使います。

06.芯出しバーによる当たり付

『心出し軸』を基準に『軸受け』『軸受の蓋』のアタリを付けたり、

軸となる物(保持する物)を押さえつける強さを調節します。

 

『ささばきさげ』作業手順

『ささばきさげ』の前に以下の工程があります。

  • 『軸受け』『蓋』の合わせ面を『きさげ加工』で摺り合わせする
  • 『軸受け』『蓋』を組み合わせる
  • 『マシニング』という機械で『ボーリング加工』する(『軸受け』で保持する物の数値より、○○μ小さめに加工)

小さめに加工する理由は、『軸受け』で保持する物を押さえつけるためです。

 

軸受の当たり確認

06.芯出しバーによる当たり付

『心出し軸』にブリューペースト等の青色顔料を塗り、

『軸受け』には『光明丹』を塗りアタリを確認する。

 

ボーリング加工しても、熱変動(加工中の熱で物質にヒズミが出る)などにより、

なかなか綺麗な真円にはなっていません。

 

アタリを増やし、きさげ面を仕上げる

01.高い所だけが当たる

小さめに仕上がっているため、アタリが上の方にあるのが分かると思います。

 

これを『ささばきさげ』で削り、アタリを広げていきます。

07.当たっている所を削る

 

完成面

02.完成面

写真からも分かるように、

軸受のアタリが円筒状に2カ所当たっていて、真ん中の面は当たりがありません。

これは保持する物を安定して受けるために、

『軸受のアタリを2カ所』『蓋のアタリも2カ所』

合計4カ所のアタリで軸を抱き込む感じにします。

こうする事で軸を安定して保持する事ができる様になります。

 

押さえる強さの調整をする

03.蓋の押さえしろを調整

軸受のアタリを確認したら、

保持する物を押さえつける強さを、蓋のアタリを付けつつ調整します。

 

押さえの強さ

■【押さえが強い】

保持する物がスピンドルの場合、中のベアリングに圧力がかかる。

スピンドル回転中に発熱現象を起こし、スピンドルの寿命を短くする原因にもなります。

 

■【押さえが弱い】

軸受の中で保持する物がスリップ(空回り)する現象を起こします。

 

強過ぎず、弱過ぎず、最適な押さえ強さを見つける事がとても重要です。

 

調整方法

  • 押さえが強い場合・・・蓋のささばきさげ面を削り落とす
  • 押さえが弱い場合・・・軸受と蓋の合わせ面を削り落とす

 

■【強さ加減の確認方法】

一番確実なの方法は、

  • 『心出し軸』側面に『鉄パイプ』などを引掛けられる様にする。
  • 蓋の取り付けボルトを締めながら『鉄パイプ』で『心出し軸』を回す

蓋の締め付けボルトを締めて、どれだけの力で『心出し軸』を回せればOKなのかは、

『軸受け』や『使い方』によって違うので、

これで良いという事は言えません。

 

その物によって感覚を掴むしか無いのです。

腕の感覚だけが頼りなので、なかなか熟練の技術が必要になってきます。

 

『ダイヤルゲージ』で、軸受の蓋を計り、

「蓋のボルトを締め込んだ時の数値を見る」という方法もありますが、

数値に誤差が出るので、あまりあてになりません。

 

最後に

今回ご紹介した『ささばきさげ』は、

スピンドルなどの軸を受け、しっかり保持するためにとても大切な技術です。

色々な経験・応用が必要になってくるので、

かなり高度な技術です。

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