職人ライダーヒロの 楽しいツーリング日記!

きさげ加工 の基準である 定盤の修正方法を公開!『3枚摺合わせ』とは?

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工作機械製造において キサゲ加工 という超重要な手仕上げ加工を施す職人である一方。相棒のCBR1000RRやGTR125aeroと共に旅に出かけ、日本各地に点在する絶景スポットやグルメ情報などをブログを通じて発信するブログライター。
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今日は “ きさげ加工 ” をやる上で、

絶対に必要になる “ 定盤 ” についての話です。

 

『定盤』とは『鋳鉄』という金属でできた、

超高精度な平面を持つ板の事です。

 

平面度は『μ(マイクロ)』単位。

高精度なため、『温度』『使用状況』『保存方法』などでヒズミを起こす事もあります。

取り扱いには十分注意する。

 

一般的な『きさげ加工』を行う上で、

『定盤』の精度を『きさげ面』へ移すと思ってもらって良いと思います。

 

『きさげ加工』で『定盤』に部品を摺り合わしていると、

段々『定盤』が減ってきます。

 

そうすると修正する必要がありますよね!

その辺の事もふくめて『定盤』のお話しをしたいと思います。

 

定盤とは?

定盤の写真

『定盤』とは、鋳鉄でできた超高精度な平面度(マイクロ単位)をもつ板の事です。

 

その平面度を『きさげ加工』で重要部品へ移される。

この事から全ての基準だと言えるものです。

 

形や大きさも様々で、

大きい物から手のひらサイズの小さい物まであり、

形も正方形の物もあれば、長方形の物もある。

使用状況に応じて様々な「大きさ」「形」の物があります。

 

定盤の保存方法について

高精度な平面度を誇る『定盤』なだけに、

適当に保存すると、高精度な平面度を保つ事が出来ません。

 

『湿度』『温度』を最適に管理するのはもちろんの事、

『定盤を置いておく台』についても、

『高精度な水準器』でレベル出しした台の上に置いておく。

 

そうしないとヒズミが出て平面度を保てない可能性があります。

 

『定盤』修正に必要な『3枚摺合わせ』とは?

非常にデリケートな『定盤』ですが、

『きさげ加工』などで使用していると、段々減ってきて修正が必要になります。

 

そんな高精度な平面!いったいどうやって修正するのでしょうか?

 

実はこれも『きさげ加工』で修正するんです!

『3枚摺合わせ』という技法を使います。

 

※『3枚摺り合わせ』とは、『定盤』を3枚用意し、(同じ大きさ・形の定盤が良い)

その3枚の『定盤』を交互に摺り合わせていく。

そうすると、基準面がなくてもほぼ均一な平面に仕上げる事ができる。

 

『3枚摺り合わせ』のやり方

  • まず『定盤』を3枚用意します。(同じ大きさ・形の定盤が良い)
  • 3枚の『定盤』に『A』『B』『C』と番号をつけます。
  • 交互に摺り合わせていく

 

■【摺り合わせる順番】

  1. 1回目『A』⇨『B』
  2. 2回目『A』⇨『C』
  3. 3回目『B』⇨『C』
  4. 4回目『B』⇨『A』
  5. 5回目『C』⇨『A』

 

■【摺り合わせ例】

  1. 『A』を基準『定盤』にし、『B』と摺合わせて『B』の凹凸をきさげ加工
  2. 『A』を基準『定盤』にし、『C』と摺合わせて『C』の凹凸をきさげ加工
  3. 『B』を基準『定盤』にし、『C』と摺合わせて『C』の凹凸をきさげ加工
  4. 『B』を基準『定盤』にし、『A』と摺合わせて『A』の凹凸をきさげ加工
  5. 『C』を基準『定盤』にし、『A』と摺合わせて『A』の凹凸をきさげ加工

 

⑤まで終わったら、また最初に戻り『A~』という感じで、

3枚とも同じ強さのアタリがつくまで繰り返します。

 

[box class=”pink_box”]※上のやり方は①~⑤までありますが、

①~③まででもOKです。

  • 1回目『A』⇨『B』 
  • 2回目『A』⇨『C』 
  • 3回目『B』⇨『C』
  • そして『A~』という感じ
[/box]

完成まじかになり凹凸も少なくなってくると、

自分の顔が映る位綺麗な面になります。

 

精度の良い物を『種定盤』として保管しておく

定盤の写真(2)

精度の良い物は『種定盤』として大切に保管しておきます。

 

そうする事により、他の2枚の『定盤』が減ってきて修正が必要だとしても、

『種定盤』を使用して修正を行えば、『3枚摺り合わせ』をやるより楽です!

 

最後に

話だけ聞いていると、

「交互に『きさげ加工』するだけだから簡単!」

なんて思ったあなた!

 

この『3枚摺合わせ』やばいくらい根気がいります!

 

集中してやっても完成まで数日かかる。

 

『3枚摺り合わせ』終盤なってくると、

削り取る料も『数μ(マイクロ)単位』になり、アタリも細かくなってくる。

一面削るだけでも半日以上かかります。

 

私の亡くなった師匠いわく、

「『3枚摺合わせ』が出来ないと『きさげ』はできない!」

と常に言っていました。

 

今は『研磨機』の機械精度も向上し、研磨加工するだけで

ほぼ均一な平面に仕上げる事が可能!

 

昔はそれほど加工精度も良くなかったので、

今以上の『きさげ技術』が重要視されていたという事ですね!

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