職人ライダーヒロの 楽しいツーリング日記!

きさげ 工具『スクレーパー』を修理する! 柄のガタツキならこの方法をためせ

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スクレーパーの柄の修理を一目で分かる写真
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工作機械製造において キサゲ加工 という超重要な手仕上げ加工を施す職人である一方。相棒のCBR1000RRやGTR125aeroと共に旅に出かけ、日本各地に点在する絶景スポットやグルメ情報などをブログを通じて発信するブログライター。
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どうも!職人ライダーのヒロです。

以前 、きさげ工具(スクレーパー)の作成方法として この様な記事を書きました ⇩

この方法で作成したスクレーパーは、

10年間毎日使用してもヘタルと言った事がない

とても耐久性の良い物が作れます。

 

しかし作成時の状況や、金属製カラーの強度不足によって、

柄とスクレーパー接合部にガタツキが出来たり、亀裂が入ると言う可能性もあります。

接合部は特に負荷がかかる部分なので、ここにガタツキや亀裂が入ってしまうと致命的。(強度不足)

接合部にウエスを噛ましたり、何回も叩き込んだりして使用している人も多いでしょう。

 

そんな時でも大丈夫!

今回ご紹介する方法でスクレーパーを修理してみて下さい。

ガタツキの度合いによっては改善される可能性があるので、

スクレーパーのガタツキや亀裂にお悩みのかた 必見の記事です。

注意!

この方法はガタツキ度合いが軽傷の物に限られます。

  • ガタツキの度合いが酷い!
  • 柄の肉部分が殆ど残っていない!
  • 一部分が完全に欠け落ちてしまった!

そんな時はこの方法を試してもダメです。

残念ですが、一から柄を作り直しましょう。

 

きさげ 工具『スクレーパー』のガタツキ修理なら 柄の接合部リング交換がおすすめ

交換する3/4ガス管を加工して柄用に潰した写真

今回ご紹介する修理方法を結論から言うと

柄とスクレーパー接合部のカラー内径

少しだけ小さい物に交換するといった方法です。

 

カラーをはめなおす事によって、

柄とスクレーパーの接合部がさらに締めつけられます。

その結果、亀裂やガタツキ時の補強につながると言うわけですね。

柄と金属の接合部分の写真

柄とスクレーパーの接合部

 

10年以上前に作成した第一作目のスクレーパーも、

「太過ぎて持ち心地が悪い」

と言う理由からカラーをはめ直しました。

 

その結果、更に強度が深まってめちゃくちゃ頑丈になったんです!

毎日毎日ガンガンに体重かけまくって酷使しているにも関わらず、

10年以上経った現在でも全くガタツク事なく使用してます。

 

強度もかなり増すので、この方法はカナリおすすめです!

 

きさげ 工具『スクレーパー』の修理手順

それでは作業説明に入りたいと思います。

今回交換するカラー用部品には、

3/4のガス管(鋼管)を使用する事にしました ⇩

交換する3/4ガス管を加工して柄用に潰した写真

ただ見た目が不格好なので、旋盤で外径切削だけしました。

そして柄のカラー用にカット(40㎜程度)し、平たく潰してます。

(※もともと柄に打ち込んであるカラーより、若干小径の物を使用する。)

 

交換作業は至って単純です。

スクレーパー接合部のカラーを交換するだけ。

 

単純と言えば単純なんですが、体力的には作る時よりも

遥かに大変です!

何故なら 作る時はまだ柄にスクレーパー用の穴も開いてないので

そのまま打ち込む事が出来る。

だけど 穴あけ後なのでそれが出来ないんですよね。

  • 穴が狭くなり過ぎてスクレーパーが入らない
  • 最悪ワレてしまう可能性も!

スクレーパー用の穴が開いているのでそのまま打ち込めないと言う説明写真

なので、スクレーパーを打ち込んだ状態ではめ込む必要があるんです。

しかも かなりキツキツに(無理やり)はめ込む必要があるので、

めっちゃ大変なんです!

その辺は少し覚悟しておいて下さい。

 

元々のカラーを抜く

マイナスドライバーやキー材を利用してリングを抜くと言う説明写真

まずは元々ハマっているカラーを抜きましょう。

マイナスドライバーやキー材といった、何か平たい物を使用して

カラーが抜ける方向に叩いて行きます。

 

物によっては中々カラーが抜けなくて苦労する事も・・・。

逆に簡単に抜けるようだと

カラーとして機能してないという事なので

NG品ということですね。

 

カラーを10㎜ほどハメ込んで スクレーパーを打ち込む

金ノコやヤスリ等を使用して削りながらカラーが入るよう加工する。

金ノコやヤスリ等を使用してリングが入る様に加工する説明写真

 

まずはその状態で10㎜くらいカラーをはめ込みましょう。

まずは10㎜くらいリングをはめ込むという説明写真

※はめ込む量は柄の状態を考慮して下さい。

 

その状態でスクレーパーを打ち込みます。

柄にスクレーパーを打ち込むという説明写真

 

スクレーパーを打ち込んだ状態でカラーを無理やり打ち込む

さぁ~ここからが大変な工程です。

この章の冒頭で説明した通り、

スクレーパーを打ち込んだ状態でカラーを打ち込まないと

必要以上に穴がせまくなったり最悪われてしまいます。

なのでキー材などの細長い金属棒を使用して

ガンガン打ち込んで行きましょう!

キー材を使用してガンガン打ち込む写真

当然カラーには打痕などの傷が残ります。

それは最後にヤスリ掛け等で仕上げてください。

これ位ガンガン打ち込まないとまず入りません。(ユルユル厳禁!)

 

とは言え、歪ませるとまずいので 四方八方確認しながら均等に打ち込む事!

四方八方確認しながら均等に打ち込む説明写真

 

恐らく叩いても、叩いても入らなくなるので、

柄を削りもって叩き込む!

それをくり返しましょう。

柄を削りもって叩き込む!を繰り返すという説明写真

かなり大変なので、休憩しながら地道に作業してくださいね。

ちなみに 打ち込み作業だけで40~50分かかりました。

最後までリングを打ち込んだ完成した所の写真

作業完了!

 

カラーの材質は 粘り強さと強度を兼ね備えた ガス管(鋼管)がおすすめ

柄のカラー用に使う素材として、柔らかい金属はNG!

強度不足で亀裂の原因になります。

そこで、ある程度の粘り強さと強度を兼ね備えた

ガス管(鋼管)がおすすめです。(※旋盤などで加工が必要)

 

一応カラーは乗せておきますが、送料の方がお高いので

ホームセンターで探す方が良いでしょう。

※ちなみに SUS(ステンレス製)は加工が難しいのでおすすめできません。

 

最後に

完成したスクレーパー全体像の写真

きさげ加工の基本工具『スクレーパー』のガタツキや亀裂にお困りなら、

今回ご紹介した方法で修理できる可能性があります。

もう少し接合部を強力に補強したい! そんな時でも有効な方法です。

 

ただしこの方法はガタツキ度合いが軽傷の物に限られます。

  • ガタツキの度合いが酷い
  • 柄の肉部分が殆ど残っていない
  • 一部分が完全に欠け落ちてしまった

そんな時はこの方法を試してもダメです。

残念ですが 一から柄を作り直しましょう。

注意!
このページに書かれてある事を参考にして作業を行う場合。

必ず自己責任でお願いします。

万が一事故が起こった場合でも、当方では責任を負えませんのでご注意下さい。

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