2017/02/04

すべての基準! 定盤の『3枚摺合わせ』とは?

 
定盤

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ヒロ

これまでの記事で、度々『定盤』というものが出てきたと思います。

「縦長の長方形の金属の板で、その面の平面度が1μ位の精度があって~」

みたいな話をしました。

それだけだと、『定盤』って何?って感じで、よくわかりませんよね?

 

というわけで、

今日は『定盤』という物がどういう物なのか、

詳しく話そうと思います。^^

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定盤とは?

定盤と摺合わせる

これまで、『定盤』とは、平面度が1μ位の精度がある、金属の板だという事をお話ししました。

それに付け加えて、『きさげ作業』のすべての基準だと言える物です。

それは何故かというと、その『定盤』の精度を部品の『きさげ』をする面に移していくからです。

 

要するに、その『定盤』を使って、部品の『きさげ面』を当てるため、使う『定盤』の精度が、そのまま部品の『きさげ面』に移るという事です。

 

形や大きさはというと、大きい物から、手のひらサイズの小さなものまであり、形も正方形の物もあれば、長方形の物もあります。

各工作機械メーカーで、使用する機械部品の大きさなどで、大きさも変わるのではないでしょうか?

大きい面を『きさげ』で当てなければならないのに、小さな『定盤』しかなかったら仕事になりませんから^^;

 

私が勤めている会社では、

大きい物で、横50センチ位 × 縦120センチ位あります。

小さい物は手のひらサイズです。

 

この『定盤』保存する時も気を付けないと、大変な事になります。

水準器(気泡の入った液体のゲージで、機械本体などを、地上と平行に据え付ける時などに使う)でレベル(ここでは地上と平行に据え付ける事)を出した台の上に置いておかないと、

直ぐに歪んでしまします。(曲がった台の上に置いておくと、そのまま定盤も曲がってしまいます。)

 

見た目では歪んでいる事は分からないのですが、当たりを付けてみると直ぐ分かります。

なんせ平面度1μ位の精度の物なので、その位デリケートになってしまうんですね。

 

そんなデリケートな『定盤』

いったいどうやって作ると思います?

 

研磨機で研磨する?

そこそこは平面度も出ますが、全面は当たっていません。

 

そうです!

やはり最後は人の手!

『きさげ』です!

 

ではご説明しましょう!

 

定盤作成に必要な 3枚摺合わせとは?

ではどうやって平面度1μ位まで精度を出すのか?

 

それは、『3枚摺合わせ』という技法を使います。

 

『3枚摺合わせ』とは、同じ大きさの『定盤』があると、

基準面がなくても綺麗な平面に仕上げる事が出来る技法です。

 

ではご説明しましょう!

 

まず、同じ大きさの『定盤』を3枚用意します。

その『定盤』に『A』『B』『C』と番号をつけます。

 

①『A』を基準『定盤』にし、『B』と摺合わせて、『B』の凹凸(当たり)を削ります。

 

②『A』を基準『定盤』にし、『C』と摺合わせて、『C』の凹凸(当たり)を削ります。

 

③『B』を基準『定盤』にし、『C』と摺合わせて、『C』の凹凸(当たり)を削ります。

 

④『B』を基準『定盤』にし、『A』と摺合わせて、『A』の凹凸(当たり)を削ります。

 

⑤『C』を基準『定盤』にし、『A』と摺合わせて、『A』の凹凸(当たり)を削ります。

 

ここまできたら、また最初に戻り『A』を基準で『B』と摺合わせて『B』と削るといった感じで、これを繰り返します。

 

 

①『A』→『B』

②『A』→『C』

③『B』→『C』

④『B』→『A』

⑤『C』→『A』

これを順番に繰り返します。

 

 

これを3枚の『定盤』のきさげ面が、すべて均一に当たりが付くまで何回も繰り返します。

最後には凹凸も無くなってきて、顔が映る位の綺麗な平面になります。

 

途中、どの位平面になっているか、測定器で測定します。

 

この技法を『3枚摺合わせ』と言います。

 

私がやった時は、コンビニの駐車場によく立ててある『のぼり旗』位の大きさの『定盤』で、良い物で、2μ位の平面度でした。それでも十分です^^

 

精度の良い物は『種定盤』として、大切に保管しておきます。

定盤

『定盤』は、機械の平面を当てるのに使用します。

何回も使っていると、段々と『定盤』の面が減ってきて、平面度が悪くなってきます。

そうすると、また『3枚摺合わせ』をやる必要があるのですが、

この『種定盤』を残しておくと、その『種定盤』で平面度が悪くなった『定盤』を当てれば良いので修正が非常に楽です。

 

 

少々ザックリ説明しましたけど、

 

この『3枚摺合わせ』

 

やばいくらい根気がいります!

 

だいたい集中してやっても、完成まで数週間はかかります。

 

最後ら辺になると、『きさげ』で削る取り代もミクロ単位になり、

一面削るだけでも、半日以上かかったりする事もあります。

 

私の亡くなった師匠いわく、

この『3枚摺合わせ』が出来ないと、

この『きさげ作業』は出来ません。

 

それは何故か?

 

基準面が出来なければ、

何も平面に出来ないからです。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回で『きさげ』の記事を5回連続で掲載しました。

『きさげ』とはこんな仕事だという事を、何となく分かっていただけたのではないでしょうか?

 

時代が変わり、年々機械制度も良くなり、比例して加工精度も良くなってきました。

そうなる事で、昔ほど、『きさげ』が必要な個所も少なくなってきていますが、

やはり最後の重要な個所は機械では加工出来ません。

 

人の手が必要です!

 

これからの時代、『ものづくり業界』は厳しい時代に入ります。

その中で、とくに『ものづくり業界』の若い方は積極的に『きさげ技術』を学んで方が絶対良いです。

 

これからの時代、差別化が図れないと生き残ってはいけません。

今までは人の手で行っていた作業が、機械やロボットに取られて、人がいらなくなってきました。

そんな時に技術を持っていると、

 

かなり強いです!

 

『きさげ』もその一つですよ^^

 

5回連続、『きさげ技術』について語りました。

 

最後まで読んでいただき有難うございました。

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