職人ライダーヒロの 楽しいツーリング日記!

明治 五大監獄の一つ 奈良少年刑務所 重要文化財に指定された日本最古の刑務所とは?

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26.舎房の写真
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きさげ職人でもあり、バイク乗りでもある職人ライダー。 きさげ加工という、工作機械製造において超重要な加工を施す職人である一方。 相棒のCBR1000RRやGTR125aeroと共に旅に出かけ、日本各地に点在する絶景スポットやグルメ情報などをブログを通じて発信するライター。 大好きな和歌山には良く出没する。
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どうも!職人ライダーのヒロです。

 

奈良と言えば大仏様がいる『東大寺』

天然記念物である野生の鹿がいる『奈良公園』が有名です。

 

その『東大寺』や『奈良公園』から、

ほんの1キロ程の所に刑務所がある事をご存知でしょうか?

 

レンガ造りの洋風建築物は、刑務所なのにとても立派な造りになっています。

01.奈良少年刑務所正門の写真2

1908年(明治41年)『旧奈良監獄』として建設されて以来、その歴史は実に100年以上!

 

明治 五大監獄の一つ 奈良少年刑務所” です!

02.奈良少年刑務所看板の写真

主に20歳未満~26歳未満の受刑者を収容している刑務所でした。

それ以外の年齢の受刑者も多く収容していたんだとか。

 

2017年3月末に閉鎖されるまで、ほぼ当時のまま使用されてきました。

 

明治時代に建設された『五大監獄』の一つで、完全な形が残るのは『奈良少年刑務所』だけ。

建築物的にも歴史的価値が高く、刑務所としては日本最古の歴史があります。

 

そのため2017年2月23日

国の重要文化財に指定されました。

 

そんな『奈良少年刑務所』なのですが、

2017年7月16日、最後の見学会が開催されました!

 

 

普段見る事の出来ない『塀の中』をまじかで感じる事が出来る!

こんな貴重な体験は他ではできません。

 

そんな刑務所見学会に行ってみる事にしました。

 

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刑務所見学会だけあって 凄い人の数! 入るのに2時間かかった

03.奈良少年刑務所の塀とGTR125の写真

奈良少年刑務所に到着したのが丁度13時を少し過ぎた頃。

かなりの混雑も予想できたで『GTR125aero』で向かいました。

そんな時は小回りの利く原付で行くのが一番ですね^^

 

駐輪所にバイクを置いて入り口に向かいました。

04.奈良少年刑務所正門の写真

さすが一般公開最終日とだけあって、

テレビ局などの報道陣が沢山取材に来ています。

 

一般見学者は列に並ぶ様誘導されたので、列の最後尾を目指す。

05.塀沿いに並ぶ人々の写真

塀沿いに長く出来た人の列。

歩けど歩けど列の最後尾が見えて来ない。

 

その内広場に出ました。

広場の中央に目をやると、やっと『最後尾』の立て札を持った人を発見!

06.最後尾の写真

それにしても凄い人の数。

どの位で中に入れるのか心配になってきたので、立て札を持った人に聞いてみる事にしました。

 

ヒロ:「入るのに何時間位かかります?」

係員の人:「30分区切りで50人ずつ入るので、2時間以上かかるかと思います。」

 

まじかっ!

ちょっと甘く見てた(涙)

 

自由見学時間が13時からなので、丁度良い時間に来たと思いきや。

甘かったぁ~

 

帰ろうかと思ったが『塀の中』を見学できるなんて滅多にない!

炎天下の中、何とか熱中症にならない様やり過ごす事にしました。

 

今日はまだ風があるたけましかぁ~。

 

刑務所とは思えない立派な構造、ここまで立派にした理由とは?

入所まで2時間以上かかると言われたところ、2時間以内で入る事ができました!

炎天下の中はキツかった~。

 

門を潜り抜け塀の中へ入る。

「ホントにここは刑務所なのか?」

そんな疑問を抱かせる様な光景が目の前にあります。

07.庁舎の写真

正面には立派なレンガ造りの『庁舎』

そこへと続く道の両端には日本庭園。

08.刑務所内の日本庭園の写真

09.刑務所内の日本庭園の写真2

まるで美術館の様。

 

洋風建築物と日本庭園のコラボレーション。

『洋』と『和』が見事に融合しています。

 

他の刑務所ではこんな光景はありません。

でも、何でここまで立派にする必要があったのでしょうか?

 

不平等条約

明治初期の日本では、日本国内で外国人が罪を犯しても日本で裁く事が出来ない。

それが『不平等条約』です。

 

なぜこの様な条約があったのか?

それは牢獄の環境にありました。

10.ギス監の写真

刑務所内に保存されている木造のほこらの様な建物。

これは通称『ギス監』と呼ばれる牢獄で、当時の日本で使われていた物です。

11.ギス監内部の写真

時代劇なんか見ていたらよく出てきますよね。

 

罪を犯したとはいえ、人を動物か何かと同じ様に扱う。

こんな人権に配慮のない国では欧米人を裁かせる事はできない!

 

そんな感じで日本は国際的に認められてませんでした。

 

五大監獄を造る

『不平等条約』を解消して、日本でも外国人を裁ける国にする。

そのためにも国際的に日本を認めてもらう必要があります。

 

ではどうするのか?

立派な牢獄を造るしかありませんでした。

 

そして『千葉』『金沢』『長崎』『鹿児島』『奈良』に、

立派な『五大監獄』を造る事になったのです。

 

ここまで立派な建築物にしたのは、国際的認めてもらうためだったんですね。

 

庁舎から中へ

12.庁舎入口の写真

ではいよいよ刑務所内へ入っていきましょう!

 

中央に位置する『庁舎』から中へ入ります。

中はさすがに人が多い。

ここから先は列に沿って進んで行くしかない。

 

しばらく進むと受刑者を監視する『中央看守所』が見えてきました。

 

中央看守所

13.中央看守所の写真

受刑者を収容する『舎房』は五寮あり、『中央看守所』を中心にして扇形に立てられています。

 

建屋は二階建てで、通路の中央をくり抜き鉄格子がはめられています。

14.中央看守所二階の写真

15.通路中央のくり抜きの写真

そのため『中央看守所』から全ての『舎房』を見渡す事ができるので、

異常があっても直ぐ気付く事ができるんですね。

 

ここまでくると『刑務所』って感じがします。

 

舎房

16.舎房通路の写真

17.牢獄の扉の写真

二階建ての『舎房』が奥まで続き、その両端には受刑者を収容する牢獄の扉が沢山見える。

 

木造で出来た扉は厚み約10センチ程。

木造ながらも重工な扉には頑丈なカギが付いています。

18.分厚い扉の写真

この扉も建設当時の物をそもまま使用しています。

 

牢獄は二畳半ほどの広さで、けして広いとは言えません。

しかしその分、天井は少し高めに設定されています。

19.牢獄の写真(上)

20.牢獄の写真(下)

もちろんエアコンなど空調はありません。

なので夏は暑く冬は寒かったでしょうね。

 

ここはやっぱり『刑務所』。

厳しい世界がそこにありました。

 

その他ギャラリー

21.奈良少年刑務所建屋外壁の写真

22.日本庭園と西洋建築の写真

23.奈良少年刑務所建屋外壁の写真2

24.自力更生の碑の写真

 

美しい刑務所

【写真】上條道夫 【文】寮美千子

本写真集は、『奈良少年刑務所』がまだ刑務所として使われていた時期、

平成22年(2010)2月に、故・上條道夫氏によって撮影された写真集です。

 

刑務所ではあるが、どこか温かみのある洋風レンガ造りの建築物。

普段見る事が出来なかった所まで、細部にわたって撮影されている貴重な記録です。

 

  • この刑務所に収監されてくる受刑者が、どういった少年達なのか?
  • この刑務所では受刑者の更生に向けて、どういった教育が行われてきたのか?
  • この刑務所がどれだけ地域に溶け込み、町の人達に愛され親しまれてきたのか?

『奈良少年刑務所』で受刑者更生に向けて携わってきた、講師や地域の人達の言葉で良く分かります。

 

受刑者を無理やり押さえつけ、強制的に修正する様な教育ではなく、

講師や職員が受刑者に寄り添い、自ら更生へと向っていくという教育は素晴らしいと思いました。

写真集としても『奈良少年刑務所』の歴史としても貴重な一冊だと思います。

興味のある方は一度購入してみてはいかがでしょうか。

 

最後に

25.鉄格子越しに見える塀の外の世界の写真

刑務所と言うのは、外の世界とは完全に遮断された空間。

一般人が中を見る事は絶対できません。

 

そんな中、今回の見学会で『塀の中』を見学できる貴重な経験をしたと共に、

「刑務所には絶対に入りたくない!」と改めて思いました(笑)

 

明治に建設された『五大監獄』の中で、唯一現存している『奈良少年刑務所』。

建物的にもとても貴重な物です。

 

実はこの『奈良少年刑務所』。

『刑務所ホテル』として生まれ変わります!

 

海外では使わなくなった刑務所をホテルとして利用している所がありますが、

日本国内では初めて!

 

開業は2020年を目標に目指すという事です。

楽しみですね!

完成したら是非泊まってみたい。

 

今回は以上です。

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

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きさげ職人でもあり、バイク乗りでもある職人ライダー。 きさげ加工という、工作機械製造において超重要な加工を施す職人である一方。 相棒のCBR1000RRやGTR125aeroと共に旅に出かけ、日本各地に点在する絶景スポットやグルメ情報などをブログを通じて発信するライター。 大好きな和歌山には良く出没する。
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